この標識は、いわゆる中高層建築物条例(中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例、だいたいどこにでもあって似たような内容です)の規制対象となる建物を建てるときに設置が義務づけられるものです。
例えば、先日新宿の南のマクドナルドに行ったとき、ちょうどとなりの敷地が建て替え中だったのですが、こんな内容が掲示されています。

自治体にもよりますが同条例には「中高層建築物」の定義として
高さが十メートルを超える建築物(第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域にあつては、軒の高さが七メートルを超える建築物又は地階を除く階数が三以上の建築物)をいう。
(都条例より抜粋)
とありますので、だいたい4階建て以上、場合によっては3階建ての建物でも、建てるときにはどこかにこの標識を設置する必要があります。ですからこれ自体はめずらしくもなんともなく、誰でもどこかで見たことがあると思います。しかしさすが新東京タワー、内容のスケールが違います。

高さ:470.88m(最高610.58m)!!
もちろん610mという高さはずっと前から知っているのですが、ごく普通の建物とまったく同じ様式の看板の中に、突如として非日常的な数字がポロッと登場していることが衝撃的です。「高さ610mで日本一のタワーが建ちます」などとていねいに説明されるよりも、こうして何気なく数字を出されるほうが個人的にはインパクトがあります。
470.88mというのは建物、つまり人が立ち入る部分(展望台が約450mということなので、機器などを設置するさらに高い場所かと思われます)の屋根を指し、610.58mというのは本当の先っぽの高さを指します。
ちなみに、こんなところ(下画像内、見つかりますか?)にちょこんと掲示されているのでいまいち610mが建つ実感がありません(現場の入口にも同じものが掲示されていますが)。

それと住所マニアの方は気付かれたかもしれませんが、所在地表記のところで「東京都墨田区押上一丁目123-3」という、このあたりでは普通目にすることのない「地番表記」が見られるのも興味深いところです(住居表示では、押上一丁目の街区符号は52番までです)。おそらく「押上一丁目1番13号」はこの敷地の中でまさにタワー部分が建つ位置を示していると思うのですが、「押上一丁目2番17号」「押上一丁目123番地の3」がどこを示しているのかは見当もつきません。
(以下、まったく意味はないのですが妙に時間かけて調べてしまったので自分用メモとして残しておきます)
新タワー計画敷地の大部分を占める「押上一丁目1番」は東武の旧貨物駅だったので非常に大きい街区(ブロック)で、住居番号は96号まであるようです。また、「押上一丁目2番」から「押上一丁目8番」はWebの地図では見つけられませんでした。
押上1-1-2 東武鉄道本社
押上1-1-3 東武建設(?)
押上1-1-4 業平橋駅
押上1-1-7 東武エンジニアリングの建物(?)(退去済)
押上1-1-13 新タワー
押上1-1-65 押上駅(地下鉄半蔵門線/東武伊勢崎線)
押上1-1-72 日立コンクリート
押上1-1-75 フコックス業平橋営業所
押上1-1-77 東京エスオーシー(退去済)
押上1-1-81 サツキ(?)(退去済)
押上1-1-86 金龍自動車交通(退去済)