巴コーポレーションは同市に主力製造拠点の小山工場を置き、東京スカイツリーの塔体本体の一部と、高さ350メートル付近の第1展望台および同450メートル付近の第2展望台を構成するすべての鉄骨の製造を担当。2008年10月から2010年12月まで2年あまりの期間、同工場から出荷されたスカイツリー用の鉄骨はのべ約9000トンに上り、これは塔全体で使われる鉄骨のおよそ4分の1(重量換算)に相当するという。世界的にも有数の高さとなる634メートルのタワーの部材が同市で生産されたことを後世に伝えるため、同市に寄贈されたスカイツリーの模型と使用部材のモニュメントが市役所の敷地内に設置されることとなった。
スカイツリーの開業までちょうど半年となったこの日行われた除幕式には、大久保寿夫小山市長、巴コーポレーションの山納茂治代表取締役社長らのほか、市内の静林幼稚園、市立小山第一小学校、市立小山第二小学校の園児・児童など総勢約150名が参加。また、スカイツリー周辺の商店街などをPRする押上・業平橋地区活性化協議会のキャラクター・おしなりくんと、小山市の花・思川桜をイメージした同市のマスコットキャラクター・ニューピンキーちゃんも招かれ、子供たちとの交流を楽しんだ。
小山市役所を訪問するにあたって、おしなりくんはスカイツリー近くの観光施設「おしなりくんの家」など押上・業平橋地区の商店街でしか手に入らないたくさんのグッズを持参した。ニューピンキーちゃんは、地元の減農薬米「生井っこ」、小山市が生産量日本一を誇るハトムギを使用した焼酎やせんべいを用意するとともに、「おしなりくんが遊びに来てくれることになってからとても嬉しくて、ドキドキして眠れませんでした。来年の5月22日にはスカイツリーに行くので案内してね」と書いたラブレターを手渡し、おしなりくんを歓迎した。
同市は市内に複数の工業団地を展開するとともに、税制優遇措置や助成制度の整備などによって企業誘致・工業振興事業を積極的に推進してきた。式典の席上で大久保市長は「世紀の事業である東京スカイツリーが、当市立地企業により施工されたことは誇り。今回設置した模型等は小山市工業のシンボルとなる」と述べ、スカイツリーの開業を契機に、同市の工業力を一層強くアピールしていく考えを強調した。
(日高彰=スカイツリーToday)
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