(※:ここしばらく「正式着工」という表現を繰り返し使ってしまっていますが、その根拠は建築計画のお知らせの着工“予定”日が2008年7月1日になっているということだけで、本当にこの日が正式着工なのかはいまひとつ自信がなかったりします。クワ入れ式が7月14日に行われるということは確かです)
(2008年7月6日追記:やはりまだだったみたいです。詳しくは7月6日の現場周辺情報をご覧ください)
まずは6月後半この話題で持ちきり(私の中でだけですが)だった黄緑色の装置です。この日、装置の中へコンクリートを流し込んでいるところが見られました。
しかも、ちょっと入れるというレベルではなく、実にタンクローリー5台分の生コンが打ち込まれました。さらに眺めていると、その後しばらくして黄緑色装置の中から大きな鋼管(ケーシング)が引き上げられました。
ようやく、ここ数日謎だった作業の内容がわかりました。黄緑色の装置は、鋼管を回転させながら地中に埋め込むためのもの(全旋回ジャッキ)だったのです。鋼管の中の土をかき出して代わりにコンクリートを流し込み、鋼管を抜けば地中に丸いコンクリート柱ができるというわけです。深さはそれほどでもないようですので、これがタワーのメインの基礎になるわけではなく、構造のごく一部になるのか、それとも作業をするための何らかの足がかりになるのかだと思います。
もちろん、以上のような工程が現場を眺めているだけで理解できたわけではありません。クレーンに書かれていた「丸五基礎工業」という施工業者名
を見て、Webサイトを探してみたら、似たような工法が紹介されていたのでわかったというわけです。もっと早く気付いていれば良かったです。
一方、今日中央北側(画面右手前)にやってきた赤い車両
ですが、背中にアームのようなものが見えたのでこちらでもクレーンを使った作業をするのかなと思っていたところ、
なんとアームの先から伸びたのはクレーンのフックではなくホースでした。しかも後ろにはタンクローリーが控え、生コンを供給しています。この車両、高いところや遠いところへコンクリートを送り出す、コンクリートポンプ車と呼ばれるものでした。調べてみたら、この作業専門の業界団体として、全国コンクリート圧送事業団体連合会(「全圧連」!)という社団法人があることもわかりました。「コンクリート圧送工事業とは」というページを見ると
打ち込んだ生コンクリートが固まったとき、設計値どおりの強度が必要であるため、「生きもの」である生コンクリートの品質を変えることなく圧送することが不可欠であるコンクリート圧送工(圧送作業員)は、十分な経験と高度な技能、およびコンクリートに関する知識が要求されます。
とあり、ただホースの先から打ち込めば良いというものではなく、専門のノウハウが要求される工事のようです。ちなみに今回施工を担当するこの吉田工業は地元墨田区の企業のようです。
それで、7月1日の全景紹介では「ようやく地面の木枠の意味が分かった」と書きましたが、まさにこの枠の中にコンクリートが流し込まれるのだと理解しました。ところどころ四角く囲われているのは、ここだけ地面に穴を開ける必要があるためでしょうし、遠くからだと枠内が茶色のネットで覆われていたように見えていたのですが、ネットではなく鉄筋のように思えてきました。
しかし、タワーの下には地下にも駐車場や機械室が設けられると思うのですが、これだけの広範囲にコンクリートでフタをしてしまって良いものなのでしょうか。ひょっとするとこのコンクリートは作業用の足場で、後で壊してしまうのかもしれません。いずれにしても、こうして地面の上に直接コンクリートを打つのであれば、これまで何度もていねいに「代掻き」が行われてきたのにも納得がいきます。
西側の穴はどんどん深いところまで掘り進められ、一番低いところで作業をしているショベルはアームの一部がときどき見えるだけのところまで降りてしまっています。
敷地内での車両の往来も多くなり、これからはその誘導だけでも大変そうです。